こんにちは。サプリメントの製造・販売をしている株式会社ナックスです。今回は、ビタミンCの吸収性について書いていきます。ビタミンCは、身体に重要な栄養素ですが皆様摂取されていますが、実は吸収効率が悪く、効果が期待できない摂取の仕方をしています。ここでは、簡単にビタミンCについてのおさらい、効果、摂取方法、また還元型E-TENを組み合わせた効果の期待について書いていきます。
ビタミンCのおさらい
ビタミンCとは、身体の働きを助け、調子を整えるために欠くことのできない微量栄養素のことで、人はビタミンを身体の中で作ることができないので、これらが不足すると欠乏症を引き起こします。ビタミンCは、水に溶けやすく、化学名は、「L-アスコルビン酸」といいます。
ビタミンCの主な働きは、抗酸化作用となります。人は、空気中の酸素を取り入れて生きています。取り入れた酸素の数パーセントが活性酸素と呼ばれる反応性の高い物質に変化します。この活性酸素は、その強い酸化力で体内のウィルスを撃退しますが、多く活性酸素が発生するとDNAやたんぱく質を傷つけ、細胞の機能を低下させガンや動脈硬化、脳卒中、糖尿病などの原因となります。ビタミンCは、この活性酸素を補足し、無害化(抗酸化作用)させます。
ビタミンCは、その他にも身体のあらゆるところで効果が期待できます。免疫機能を高めたり、コラーゲンの生成を抑制したり、鉄の吸収を高めたり、鉄の吸収を高めたり、カルシウムの吸収と代謝に関与したり、アミノ酸・糖の代謝に関与したり、アレルギー反応で生じるヒスタミンの放出を抑えたり、ストレスを軽減するホルモンの生成を促したり、アルコールの分解を助けたり、たばこの毒性の無害化を促したりします。このようにビタミンCは、これらの効果が期待できるため身体にとって重要な栄養素となります。
ビタミンCは、身体の状態によって大量に失われます。風邪をひいた時、風邪のウィルスと闘うことによりビタミンCは急激に失います。たばこを吸う人もビタミンCが失われます。1本につき25~100㎎失われます。また、副流煙でも消費されます。アルコールも一緒で多量に摂取すると、アルコールの分解を助けるビタミンCの消費も早くなります。また、多くの人が抱えているストレスも関係しています。ビタミンCはストレスを跳ね返すメカニズムに関与しているため、普段の3~8倍の量が失われます。激しい運動も汗とともにビタミンCが失われ、尿中への排泄も多くなります。このようにビタミンCは、日々の生活でどんどん失われていきます。したがってこまめにしっかりと補給することが大切です。
ビタミンCが含まれる食品について
簡単にビタミンCが含まれている食品について書いていきます。ビタミンCは、主に緑黄色野菜に多く含まれています。
食品名 | 100gに含まれるビタミンCの量 |
---|---|
赤色ピーマン | 170㎎ |
芽キャベツ | 160㎎ |
黄色ピーマン | 150㎎ |
パセリ | 120㎎ |
ブロッコリー | 120㎎ |
カリフラワー | 81㎎ |
青色ピーマン | 76㎎ |
トウミョウ | 74㎎ |
アセロラ | 1700㎎ |
グァバ | 220㎎ |
ゆず | 150㎎ |
レモン | 100㎎ |
牡蠣 | 70㎎ |
キウイフルーツ | 69㎎ |
ネーブル | 60㎎ |
基本、野菜や果物をしっかり食べて、足りない分はサプリメントで補っていただければと思います。
ビタミンCの吸収について
ここからは、より専門的にビタミンCの吸収率について書いていきます。ビタミンCの吸収率は、人の生活環境下によって左右されるために、具体的な数値として出すことは非常に難しいとされています。ビタミンCの摂取量が少ない場合や棚井のビタミンCの量が少ない時には、一般的に吸収率は高まる傾向があります。また、一緒に摂取する食品によってもビタミンCの吸収率は上下します。サプリメントに使用するビタミンCでも、その原料・素材によっても吸収率は異なります。
ビタミンCの吸収率及び反応性を上げるには?
まず、よく疑問に思われている合成のビタミンC(スコルビン酸)と天然のビタミンC(アスコルビン酸)の吸収率ですが合成のビタミンCは、主にブドウ糖などを加工してビタミンCの構造にしたもので天然ビタミンCは野菜や果物の素材に含まれているのが天然ビタミンCです。
化学的には、天然でも合成でも化学構造に違いがないので体内への吸収率や効果、安全性に関しても同じになります。なぜ天然ビタミンCが良いのが良いか?それは、天然ビタミンC以外にミネラルなど食品に含まれています。天然ビタミンCが良い理由は、ビタミンCを摂取する時の組み合わせ方が鍵となります。
ここで組み合わせ方の一例を記載します。ビタミンCのカルシウム化合物は、ビタミンC単体よりも有効に利用され、尿中への排泄速度も遅いことはよく知られています。
遺伝的にビタミンCを作れないラット、ODSラットを用いた壊血病に対する効果の実験でもビタミンC化合物の方がビタミンCよりも格段に優秀であることも示されています。
また他の実験では臭球(匂いに関係する脳の部分)を摘出したマウスにビタミンC・カルシウム・マグネシウム・亜鉛・ナトリウム・カリウムを経口で与えたところ、空間記憶の悪化が防止され、皮質の側頭領域のニュートロンが変性せず保護された結果となりました。
このようにビタミンCの吸収性や効果は、単体で摂取するよりもビタミンCと一緒にミネラル類を摂取することが重要となります。
ビタミンCとミネラルを組み合せると効果が良いか?
4で書いたビタミンCとミネラルが良い結果を生み出したかを一つの化学実験にて検証しました。
下記の図は、ビタミンCの構造となります。
L-アスコルビン酸(ビタミンC)の抗酸化力は下記の図にて青丸で囲んだのがビタミンCの電子を供給する(抗酸化作用)ところを示すところです。ビタミンCは、1分子に2個の電子(2e-)を有しています。分子量から求めると1g当たりのビタミンCの還元力(抗酸化力)は、0.68×1022個となります。
この青丸の所が体内で分解すれば抗酸化作用の効果が期待できます。但しこの分解が起きなければ反応はしません。
NAD+試験によるビタミンCの電子の放出について
この試験は、中性下でNAD+が反応することによりNADHになった時、抗酸化物質が抗酸化作用及び電子が放出したかを見る反応となります。実験条件は、下記の通りになります。
実験概要及び実験条件
還元型E-TENの還元力を測定方法は、NAD+試験方法を用いて行いました。NADH水溶液は、340nm付近にてピークが出現し、NAD+水溶液は、340nm付近で存在しません。これによりNAD+水溶液と還元型E-TENを反応させた溶液は、下記の図でわかるように340nm付近でピークが存在しています。このことからNAD+水溶液がNADH水溶液に変化していることがわかります。このことから下記の反応式が成り立ちます。
NAD+ + (2e– + H+) → NADH
準備
- NAD+1mmol/L水溶液・・・・NAD+0.0663gを精製水100mlにて調整
- NADH0.5mmol/L水溶液・・・NADH0.0035gを精製水10mlにて調整
- NAD+1mmol/L水溶液15mlに還元型E-TEN0.03g投入した溶液
山梨県産業技術センターの紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所)にて測定。結果は下記の通りになります。
実験結果
下の図は、NAD+1mmol/L溶液の結果となります。NADHは、波長340nmの紫外線をよく吸収しますがNAD+は、波長340nmで吸収しないため、ピークが存在しない。次にNADH0.5mmol/L水溶液は、波長340nmの紫外線をよく吸収するためピークが存在しています。
- NAD+1mmol/L水溶液・・・・NAD+0.0663gを精製水100mlにて調整
- NADH0.5mmol/L水溶液・・・NADH0.0035gを精製水10mlにて調整
- NAD+1mmol/L水溶液15mlに還元型E-TEN0.03g投入した溶液
ビタミンCが単体で反応すれば効率良く体内でも抗酸化作用及び電子の放出が簡単に行われ体内での効果も期待できると考えられます。下記の図に関して、解説していきます。
赤い線は、NADH水溶液の結果となります。この赤い線に近づいた時に反応がNADHの水溶液になります。ビタミンCは、ピークはでず、NAD+溶液と同じ線となっていますので反応していないことがわかります。
ビタミンCと還元型E-TENを混ぜた水溶液では、NADHの水溶液になっていることがわかります。この結果から還元型E-TENがビタミンCの抗酸化作用及び電子の放出を促しているのがわかります。そのことにより還元型E-TENは、抗酸化物質の抗酸化作用及び電子の放出を促すことができると考えられます。
次にこの実験だけでは、本当に抗酸化物質の抗酸化作用及び電子の放出がわかりませんので、違う実験を行い、抗酸化作用及び電子の放出について書いていきます。
このように天然ビタミンやビタミンCにとミネラル類を組み合わせないと効果が発揮しないことが実験でもわかります。
まとめ
今回は、ビタミンCの吸収性について書きました。天然ビタミンCと合成ビタミンCの効果は、同等の能力となりますが、一番重要なのは、ビタミンC単独ではなく、ビタミンC+ミネラル類を一緒に摂取することが動物実験及び化学実験によってわかります。
今後、ビタミンCを摂取する時は、ミネラル類を意識して摂取して頂ければと思います。