こんにちは。サプリメントの製造・販売をしている株式会社ナックスです。
前回は、身体に密接に関係する電子及び還元型E-TENについて書きました。今回は、還元型E-TENの特徴について書いていきます。人は、呼吸で酸素を取り込み、食べ物を食べて栄養素(特に電子)を体内に取り入れ、酸化還元反応(電子のやり取り)することによってエネルギーを獲得しています。そこでエネルギーを効率よく獲得するためには、電子が必要と考え安心・安全な素材で電子を供給するのが「還元型E-TEN」です。還元型E-TENは、効率よいエネルギーの獲得、抗酸化作用(活性酸素の除去)、他のサプリメント成分(特に抗酸化物質)の機能を促す性質を持っています。
前回記事(電子と還元型E-TENについて)はこちら
還元型E-TENの製品案内は、下記の通りURLに記載しています。
還元型E-TENによる効率よくエネルギーを獲得する機構について
ミトコンドリアが大事なキーワード
ミトコンドリアは私たちが摂取した食物からエネルギーを取り出して、体内で利用することのできるATPというエネルギー通貨に変換してくれます。
ミトコンドリアについて詳しい内容は、下記のURLに記載しています。
このエネルギー通貨を消費することで代謝反応を進めたり、身体を動かすことができるのです。その範囲は、動物、植物、菌類の全細胞にわたります。ミトコンドリアの代謝経路は、解糖系・クエン酸回路・電子伝達系があります。
簡単にご説明しますと、ミトコンドリアのメインの機能といえば、私たちが摂取した食物を分解する過程でエネルギーを取り出すことです。これを呼吸といいます。食物を消化して得られたグルコースなどを分解してエネルギーを得る働きも呼吸といいます。
このような呼吸によるエネルギー生産の反応式は下記の通りになります。
C6H12O6 + 6H2O + 6O2 → 6CO2 + 12H2O + エネルギー
もしくは両方から6H2Oを引いて
C6H12O6+ 6O2 → 6CO2 + 6H2O + エネルギー
実際には、H2Oも反応物として加わるので、上の式がより正しくなります。
上の反応式が起こる過程は、解糖系、クエン酸回路、電子伝達系の流れに分けることができます。グルコースの分解を例にして、3つの過程について書いていきます。
解糖系
解糖系では下記の反応が進行します。
C6H12O6(グルコース) → 2C3H4O3(ピルビン酸) + 2NADH + 2ATP
※ATP:アデノシン三リン酸といわれ筋肉の収縮など生命活動で利用されるエネルギーで生体のエネルギー通貨と呼ばれています。
解糖系では、ATPを2分子獲得できます。反応は、10段階に分かれていて、酸素を消費しないのが特徴となります。生成した2つのピルビン酸がクエン酸回路へ回されます。NADHという物質もエネルギー通貨の1種で、最終的には酸化的リン酸化の過程でATPの合成に利用されます。この反応はミトコンドリア内ではなく細胞質で進行します。
クエン酸回路
クエン酸回路では、ピルビン酸がアセチルCoAを経て回路状の代謝反応に取り込まれます。
2C3H4O3(ピルビン酸) → 2アセチルCoA + 2NADH
2アセチルCoA → 6NADH + 2FADH2 + 2GTP
この2式によって得られた8個のNADH2、2個のFADH2も解糖系の場合と同様に酸化的リン酸化でATPを合成するためのエネルギー源として消費されます。
クエン酸回路の反応は、ミトコンドリアのマトリックス内で進行します。また、クエン酸回路に入ることのできる物質はピルビン酸だけではありません。脂質の消化によって得られる脂肪酸もミトコンドリアのマトリックス内に輸送され、反応を経ることでアセチルCoAが生成されます。
脂肪酸が脂肪酸アセチルCoAになると、脂肪酸酸化回路に取り込まれます。この回路を一周するごとに脂肪酸アシルCoAのカルボキシ末端側から炭素が2個切り取られアセチルCoAが生成します。このように脂肪酸からアセチルCoAを生成する代謝経路をβ酸化と呼びます。
電子伝達系
解糖系とクエン酸回路で得られたNADH、FADHを消費することで大量のATPを合成することができます。この反応は、以下の流れにしたがってミトコンドリアの内幕で進行します。
- 最初にマトリックス内でNADH、FADH2が酸化されると高エネルギーの電子を放出します。
- NADH → NAD+ + H+ + 2e–
- FADH2 → FAD + 2H+ + 2e–
- ミトコンドリア内膜には複数の電子伝達タンパク複合体によって形成される電子伝達鎖が埋め込まれていて、放出した電子を受け取ります。
- 受け取られた電子は電子伝達鎖内を移動しながら少しずつエネルギーを放出します。その際 に放出されたエネルギーを利用して、電子伝達たんぱく質複合体マトリックス内のH+を膜間腔へと汲み出します。
- H+を膜間腔へと汲み出し続けると、マトリックスと膜間腔のあいだにH+の濃度勾配が形成されます。
- H+は勾配にしたがってATP合成酵素を通って膜間腔からマトリックス内に流れ込んでもとに戻ります。このときH+が通り抜けたことでATP合成酵素内のタービンが回転し、ADPとPi(無機リン酸)からATPが合成されます。
- 電子伝達鎖内を移動しきった電子は最終的にH+及びO2と反応してH2Oになります。
- O2 + 4H+ → 2H2O
このような反応でできた多くのATPが体内の多くの場所でエネルギー源として利用されます。最後の反応時に活性酸素が発生します。これに関しては次回、書かせていただきます。
このように電子伝達系の反応では、多くの酸化還元反応(電子のやり取り)が起こっています。人の体内では、電子の重要性が少しでもわかっていただければと思います。
ビタミンCの1.7倍の電子量を有する還元型E-TEN
人は、高年齢になればなるほど、体内の機能が衰えてきます。そのため、上記で示した反応がスムーズに行かなくなります。そのため、還元型E-TENを開発しました。
前回記事(電子と還元型E-TENについて)でもご紹介した山梨県産業技術センターの紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所)にて測定結果により、還元型E-TENは電子が豊富にあるがことが確認できます。
還元型E-TENの還元力を測定方法は、NAD+試験方法を用いて行いました。NADH水溶液は、340nm付近にてピークが出現し、NAD+水溶液は、340nm付近で存在しません。これによりNAD+水溶液と還元型E-TENを反応させた溶液は、下記の図でわかるように340nm付近でピークが存在しています。このことからNAD+水溶液がNADH水溶液に変化していることがわかります。このことから下記の反応式が成り立ち、また還元型E-TENは電子が豊富にあるがことが確認できます。
NAD+ + (2e– + H+) → NADH
上記図より 還元型E-TENの還元力(電子量)は、 1.2×10の22乗 個 となります。
どのくらい他の抗酸化物質と電子量が違うか下記に示します。
抗酸化物質 | 電子量 |
---|---|
還元型E-TEN | 1.2×1022個 |
ビタミンC(L-アスコルビン酸) | 0.68×1022個 |
アスタキサンチン | 0.2×1022個 |
ビタミンE | 0.14×1022個 |
ユビキノール | 0.14×1022個 |
αリポ酸 | 0.29×1022個 |
レチノール | 0.21×1022個 |
ルテイン | 0.21×1022個 |
レスベラトロール | 0.78×1022個 |
カテキン | 0.83×1022個 |
まとめ
今回は、より細かく体内の反応についてかきました。 それにより酸素と電子の重要性が少しでもわかっていただければと思います。次回は、抗酸化作用について書かせていただきます。O2 + 4H+ → 2H2Oと活性酸素について少しでもわかっていただければと思います。
還元型E-TENにご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。